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フィルハーモニー2


9月12日。今回も前回と同様、ベルリン音楽祭のプラグラム内にあるサイモン・ラトル指揮によるベルリンフィルの演奏を聴くためにフィルハーモニーへ足を運んだ。

今回のプログラムはこちら。

Berliner Philharmoniker / Sir Simon Rattle
Alban Berg [1885–1935]
Adagio
aus: Symphonische Stücke aus der Oper »Lulu« [1934]

Paul Dessau [1894–1979]
Les Voix
nach einem Gedicht von Paul Verlaine
für Sopran, obligates Klavier und Orchester [1939/40]

Dmitri Schostakowitsch [1906–1975]
Symphonie Nr. 4 c-Moll op. 43 [1935–36/61]

Berliner Philharmoniker
Angela Denoke Sopran
Lars Vogt Klavier
Sir Simon Rattle Leitung

Eine Veranstaltung der Stiftung Berliner Philharmoniker
in Kooperation mit dem musikfest berlin | Berliner Festspiele

ウィキペディアによると、Alban Bergは「アルノルト・シェーンベルクに師事し、アントン・ヴェーベルンと共に、無調音楽を経て十二音技法による作品を残したオーストリアの作曲家。十二音技法の中に調性を織り込んだ作風で知られる。」とある。個人的には余り馴染みのない作曲家であるが、とにかく現代的な音が面白い作品だった。それは次のPaul Dessau にも言える事で、彼がハンス・アイスラーと並んでDDR(東ドイツ)の代表的な作曲家とされていることも初めて知った。彼もアルノルト・シェーンベルクに多大な影響を受けているようだ。

さて、今回も最大の目的はショスタコーヴィチの交響曲。今回は第4番である。
この交響曲は1935、36年に作曲されたが、この時期にショスタコーヴィチは苦境に立たされている。

32年に完成したオペラ<ムツェンスク郡のマクベス夫人>がモスクワ、レニングラードのみならず外国でも上演され大成功を収めたにもかかわらず、スターリン下で行われた大粛清時代の政策の中で36年1月に厳しい批判を受け、ショスタコーヴィチは既に完成していた<交響曲第4番>を撤回し、しばし筆を休めることになった。

その後、現在では<革命>の名で知られる<交響曲第5番>(1937)を書いて、名誉を回復する。
しかし、交響曲第4番のプレミアが実現するのは、作品が完成した25年後の1961年12月30日、チャイコフスキーホールでのキリル・コンドラシン指揮によるモスクワフィルの演奏によるものだった。
第4番はショスタコーヴィチによる交響曲の中でも個人的でほぼ自伝的な作品である、と言われる所以でもある。

ベルリンフィルによる演奏は期待通り、圧巻であった。

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by zaichik49 | 2009-09-13 19:19 | ベルリン

フィルハーモニー


9月5日。久しぶりのフィルハーモニーの演目はベルリン音楽祭のプログラム内のマリス・ヤンソンス率いるアムステルダムのコンセルトヘボウによる以下の3曲である。

Alfred Schnittke
Ritual für Orchester
シュニトケ:大オーケストラのための「リチュアル」

Joseph Haydn
Symphonie Nr. 100 G-Dur Militär
ハイドン:交響曲第100番軍隊

Dmitri Schostakowitsch
Symphonie Nr. 10 e-Moll op.93
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番

中でもショスタコービチの交響曲第10番に期待が高まる。旧ソビエト連邦内、ライトビアはリーガ出身のヤンソンス。ソ連時代の作曲家であるショスタコービチ、しかもスターリンのレクイエムと言われる交響曲第10番、そしてその第2楽章が音楽的肖像画である、と作曲家自身が述べているなど、ロシア人にしか分からない感情などが演奏に織り込まれるに違いない。

実際に演奏を聴いてみて、まずそのレベルの高さに驚かされた。
立体的とでも言おうか、とにかく臨場感がすごい。
映像のない映画のような感じである。

プログラムは一貫して軍隊やスターリンといった暗く重いテーマを扱っており、音色も決して明るいものではなかったのだが、オーケストラの疾走感や荒々しい行進曲、陰鬱な主題などショスタコーヴィチならではの予想出来ない進行に飽きる事がなかった。

この日のヤンソンス。3曲の演奏を終え、観客のスタンディングオベーションが続く中、2回のアンコールまでやってのけた。

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どうやら今回の音楽祭ではショスタコーヴィチがテーマになっているらしく、次の土曜日のサイモン・ラトル率いるベルリンフィルによる交響曲第4番も楽しみだ。

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by zaichik49 | 2009-09-08 20:02 | カルチャー

チェコへの小旅行 〜obecní dům〜


前回の更新からまた随分時間が経ってしまったが、今回も「プラハ」ネタで。

obecní dům「市民会館」に併設されたカフェの話で、ここにあるスメタナホールで行われるコンサートについて少し触れたが、まずはこのコンサートについて。

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演目についてはそっちのけで、モーツァルトとドヴォルジャークという名前のみに惹かれ、チケットを購入。
そして実際にコンサート当日、ホールに足を運んでみてびっくり。
ベルリンフィルではあり得ないほど人が少ないのである。
ガードローブには退屈しきったおばさんがひとり無愛想な感じで座っており、余りの無愛想さに上着を預けた途端、何だか後悔させられてしまう。しかも、ハンガーに掛かっているのはその上着だけという有様。

「大丈夫かな、このコンサート?」と訝しげに思いつつ、ホールへ向かう。
そして、ホールは、というと3分の1ほどが埋まっているだけだった。

しかし、ホールの内装もこれまた外観と同様素晴らしい。
ホールにいるのはどうやら観光客のみらしく、あちらこちらでひっきりなしにフラッシュを光らせて写真ばかり撮っている。

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さて、肝心のコンサートだが、パンフレットというかチラシを見て納得。
"THE BEST OF MOZART & DVORAK"となっており、所謂誰にでも分かる演目となっている。
ベルリンフィルではあり得ないプログラムである。モーツァルトの「小夜曲」、ドヴォルジャークの「新世界から」という具合に。ただ、演奏そのものはPrague Music室内楽オーケストラによるもので、悪くはなかったのだが。

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相棒と、「何だかフィルとは全然違うねー。」とか何とか言いながら、非常に分かり易いコンサートもそれはそれで悪くない、という結論に。「ま、旅行だし、こういうのもありか。」と。

しかーし、その後街で目にするコンサートのポスターにはこれでもか、というくらい"THE BEST OF〜"、という謳い文句ばかりでいささかうんざりしてしまった。ツーリストシーズンとは言え、普通の演目はないのか?と不思議になるくらいに。チェコ市民は観光シーズンになると、どこに何を聴きに行っているのだろう?

後、似たような(?)謳い文句に"NON STOP"というものも多々あった。これはプラハ流「24時間営業」という意味らしい。ノンストップでサービスを提供しています、というところだろうか。

何だか久しぶりにベルリンフィルに行きたくなってしまったというのが正直なところである。

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by zaichik49 | 2009-08-20 19:30 |

音楽三昧


今日も風邪ひきさんで、自宅に引きこもり。
外の気温は零下で雪もチラチラ。
本来なら夕方、国立歌劇場へオペラを観に行くはずだったのですが、
なんせ鼻はズルズル、頭もガンガンするため諦めました。

こんな日はどうしてもMACに向かう時間が長くなります。
ふと、登録だけしてこれまで全く利用していなかった
Last fm.
を触ってみることに。

これ、やり始めるとキリがない!
去年はなぜかご無沙汰していた音楽検索にハマってしまいました。
とはいえ、まだ新しいものを、というより今まで好きだった音を「最近はどうしてるのかな?」と
辿っていく感じなのですが。

何が便利かというと、今更わざわざ書く事ではないのかもしれませんが、
テイストの似たアーティストが羅列されているところと、タグ機能でサクサク検索できるところ。
あちこち飛んでるうちに、自分の好みも大体分かってくるのも面白い。

今日のキーワードは downtempo, nu jazzだったようです。

例えばこんな感じ

こんな便利なものがネット上にあると、そのうちCDを外で買う事も減りますよね。
レーベルやミュージシャンにとっては大変な時代だなぁ。

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by zaichik49 | 2009-01-05 03:22 | 日常

オネーギン


もうかれこれ2ヶ月ほど前になるが、ベルリンのウンター・デン・リンデンにある国立歌劇場で久しぶりに観た《オネーギン》について書いてみようと思う。

音楽監督ダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)、メキシコ人のスターテノール歌手のローランド・ヴィラツォン(Roland Villazón)のコンビによるプレミア公演が9月27日に行われたこのピース。アヒム・フライヤー(Achim Freyer)の斬新な演出のためメディアや観客の反応も賛否両論だということは観る前から耳にしていたので実はかなり迷った。直前だったため、残席が少なくしかもかなり値が張ったためである。

それでも百聞は一見にしかず。先日の小澤征爾さんとのウィーンロケでも話題に上った《オネーギン》を改めて観ておきたいという気持ちもあったので、今回は思い切って投資することに(とは言え、日本で観るよりは遥かに手頃な価格帯ではある)。

当日、残念ながらヴィラツォンが風邪のためレンスキー役は代役を立てる事になった。
ヴィラツォンは舞台には立ったが、あくまで動きのみで彼の声が聞けなかったのは非常に残念だった。後で知った事だが、このメキシコ出身のテノール歌手は去年同じくバレンボイムの指揮でアンナ・ネトレプコとマセネの《マノン》で共演を果たした後、スランプに陥り一時舞台から退いていたという。このプレミアは彼にとっては復帰を飾る作品でもあったわけだ。

彼の事は些か残念ではあるが、賛否両論と聞いていたフライヤーの演出はいかほどだろうか。
*フライヤーアンサンブルについてはこちらをご参照のこと

まず驚いたのは、3時間程の上演を通して歌い手も含めた登場人物がパントマイムのような細かな動きを始終強いられていたことである。しかも、全員が道化のような白塗りの化粧で登場したのである。衣装も極めてシンプルなもので、基本的な「白」を中心に決闘の際の立会人が「黒と赤」であったり、タチアナにフランス語で歌を捧げる役に「黄色」を着せたりという具合だ。

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シンプルな演出と美術、照明がうまく生かされた構成となっており、曲や感情が高まるシーンで役者が椅子をクルクル回したり、ハロウィンのような舞踏場面や決闘が決まった瞬間に音楽に合わせ椅子が一斉に空中に引き上げられるシーンなども斬新かつ美しい。

決闘でレンスキーが倒れる場面は赤の照明のみで表現され、死が訪れる際には床の布を引き上げ、下から黒の光沢のあるシートが順に現れ、同時に背景にも黒の布が現れる展開という減り張りの利いたものだった。タチアナが結婚したグレーミン公爵のソロの場面では蛍光のグリーンやパープルの照明が使われていたのも印象的だった。

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全体を通して、通常のオペラで見られるゴテゴテ感というものが一切見られない演出となっていたが、この押さえた演出を支えていたのが素晴らしい演奏である。

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また、馴染みのレンスキーのソロ(「クダー、クダー」 から始まる)も聞く度にロシア語の持つ響きに圧倒されるとても好きなパートだ。

*ヴィラツォンのレンスキーパートの練習風景の映像はこちら
彼がロシア語の発音習得に励んでいる様子も含まれており興味深い。

気になった点はタチアナのソロがオネーギンに比べ、圧倒的に声量が大きかった事。これによって男性陣の声が少々弱く感じた。レンスキー役の役者が代理を立てたのが原因なのだろうか?代理を務めたセルゲイ・コーモフはその穴を十分埋めてはいたように思ったのではあるが。

以下、9月24日付け「ベルリナーモルゲンポスト」より一部抜粋したものを参考までに挙げておこう。

ヴィラツォンはアヒム・フライヤーの演出を「モダンな彫刻」と表現した。ヴィラツォンのミニマルな動きは他の登場人物と同様、厳しいルールの上に乗っ取ったループのようなものとなっている。通常であれば自身の身体を直接使って演じるヴィラツォンのような者にとっては例のない状況と言える。「これは3時間のとても困難な仕事です。公演が終わると全身が痛みます。しかし、芸術のために苦行を強いられることは良しとしますが。ゲネプロの途中で突然、催眠にかかった様になりました。」
オネーギン役のロマン・トレケルは監督の悪夢のような冷たいオペラのビジョンについてこう説明する。「我々はマトリックスの中に存在するのだと思います。温もりのない運命に監視され、その上暴力を受けるのです。恐らく現実でも入れ物のようなところに入れられ、ひもで繋がれているのかもしれません。」
ダニエル・バレンボイムはフライヤーによる情け容赦のないロジックと冷たく厳しい演出に感銘を受けている。「全く反対の立場ではありません。チャイコフスキーは大げさなセンチメンタリストの作曲家として捉えられがちですが、それは誤解です。私も若かった頃はやはりそのような考えでした。ムラヴィンスキーに出会うまでは、です。彼からチャイコフスキーの音楽は多くの冷たさを持っているということを学んだのです。ですから、私はアヒム・フライヤーの演出した世界を理解できるのです。」


最後にもうひとつ。国立歌劇場の観客は年配の方が多かったのであるが、隣に座っていたドイツ人の老夫婦が心配そうにこう尋ねてこられた。「すみません。あなたはドイツ語が分かりますか?今日のオペラはロシア語ですし、字幕はドイツ語なので。」彼らは私がオペラの内容を理解出来ないのではないかと心配されていたようなのである。「ドイツ語は分かるので大丈夫です。ロシア語も少しは・・・」と言ったら「そうですか、それなら問題ありませんね。」と笑顔で納得されていた。こういうところが何だか律儀でとても良いな、と思う。

写真はベルリン国立歌劇場HPより

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by zaichik49 | 2008-12-23 01:51 | カルチャー


ベルリン在住、ベルリナーによるモスクワ体験記も一段落。今後も気になるロシアや現在のベルリン生活の中で想うことをつらつら書いていこうと思います。


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2009年9月29日に長女を出産しました。タグの「妊娠」にて妊娠覚え書きをまとめてみましたので、また覗いて見てください。

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