モスクワの建築(2)
「レニンスキー・プロスペクトのメトロの側にも面白い建物があるから行って来たら?」と言われ、カメラ片手に出発。
「目印はね、壁に長い梯子みたいなものがある建物だから、すぐ分かるよ。」
メトロの駅から少し歩くと確かにそれらしきボロボロになった建物があった。
「本当にこれかなー?」と懐疑的にならざるを得ないほどの壮絶さである。
ベルリンでも当時は廃墟同然の建物に見慣れていたはずだが、これはそれにも増して
ひどい状態なのである。
「やれやれ、一体なんでこんなところまで来て、こんな廃墟の写真を撮る羽目に
なるんだろう。」などと思いつつ、見れば見るほど愛着の湧く建物に向かってシャッターを切った。当時のベルリンが好きなくらいだから、我ながら廃墟好きなんだと思う。
さすがにこの時は建物の中には入れなかったので、ネット上で見つけた写真も載せておこう。
© МУАР / I.S. Nikolaev in cooperation with K.M. Sokolov. Student Dormitory - Communal House, Moscow. 1928-1930
こちらで見つけた写真を一部トリミングしたもの。
この学生寮も例の構成主義建築であるが、Nikolaev に関する情報がネット上に余りなく
残念ながら詳しいことはまだ書けないがベルリン工科大学のサイトにも内部の写真が掲載されているのでご参考まで(項目4を参照のこと)。ただし、こちらは2006年のサイトだが、内部の状態はさらに悪化しているように見受けられる。ただし、どうやらこの学生寮についてはモスクワの建築研究所が修復を受け持つことになったようだ。
今頃、新しい姿に生まれ変わっていることを願うばかりである。
この建物を撮影したのがいつだったのかは余り覚えていないが、冬のモスクワで写真を撮るのはその寒さがカメラにとって大敵だった。余りにも気温が低いため、普通にぶらぶら外気に当てているとすぐにバッテリーが上がってしまうのである。そう言えば、一眼レフを購入する時も、店の人にどこで使うのか?と聞かれ、「モスクワとか寒いところかもしれません。」と言うと、「じゃあ、キャノンよりニコンの方が丈夫ですよ。」と言われ、ニコンにしたという経由がある。
ボディーを温めるために、分厚いコートの下にニコンの一眼レフをしまい込んで歩いていたのであるが、撮影が終わった後にそのままメトロに乗ったところ、
「デーブシュカ(お嬢さん)、ここに座ると良いわ。」
と女性が席を譲ってくれるではないか?なんでだ?と思ったら、カメラで膨らんだコートが目に入った。思わず、コートの前を開け、
「いえいえ、カメラなんです・笑」
と言ったら、皆に笑われてしまった。
モスクワのメトロも混んでいるが、彼らは非常にマナーが良い。こんな風にすぐに席を譲り合ったり、降りる時も前の人に必ず「次、降りますか?」と確認し合って押し合いへし合いすることもない。これは、結構意外に感じたことだった。
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by zaichik49
| 2008-07-21 01:12
| モスクワ
ベルリン在住、ベルリナーによるモスクワ体験記も一段落。今後も気になるロシアや現在のベルリン生活の中で想うことをつらつら書いていこうと思います。
by zaichik49
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2009年9月29日に長女を出産しました。タグの「妊娠」にて妊娠覚え書きをまとめてみましたので、また覗いて見てください。
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